2015.08.11
昨日は、消費者契約法のお話をしましたが、この他に代表的な消費者を守る法律として
「特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)」があります。
この法律は、訪問販売や通信販売等消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、
事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ(契約の解除)等の消費者を守るルール
を定めています。これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者
の利益を守るための法律です。
このトラブルを生じやすい取引類型は、以下の通りです。
1.訪問販売
2.通信販売
3.電話勧誘販売
4.連鎖販売取引
5.特定継続的役務提供
6.業務提供誘引販売取引
7.訪問購入
特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令の行政処分または、
罰則の対象となりますし、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取り消しなどを
認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めて消費者
を守っています。
消費者庁のホームページで詳しく説明されていますので、皆さんも知っておいたほうが
良いと思いますのでご覧ください。
http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204001.html
3年ほど前私の実家、札幌での話です。
両親は、ともに80才を超えていますが、おかげさまで元気に暮らしております。
ある日、訪問買取りの業者から電話があり、家でいらない物品を買い取るという
電話を受け、両親は大喜びで、裏の物置などから自分たちでは、廃品集積場まで
持っていけない重たい古い家具などを表のガレージに二人で懸命に運んで業者の
来るのを楽しみに待っていました。
そして当日、業者が二人来たそうです。
そうして、・・・・買い取っていったものは、貴金属、記念切手など、その中には、
私がほしかった1964年の東京オリンピックの記念銀貨なども含まれていました。
要するに軽いものばかりです。
両親がガレージに引きとってもらいたいものがあると訴えても無視して、もっと
貴金属はないかと迫ったそうです。
怖くなった両親は、もうありませんと、お願いしてお引き取り願ったそうです。
これは、今では、あきらかに特定商取引法に違反する行為です。
ただ、特定商取引法の規制する取引類型に訪問購入が追加されたのは、
2013年2月施行の法改正でした。
まさに改正法施行前の駆け込みのお仕事でした。
現在の特定商取引法第58条の5では、事業者は、訪問購入を行うときには、勧誘に先立って、
相手方に対して以下のことを告げなければならないことを定めています。
1.事業者の氏名(名称)
2.契約の締結について勧誘をする目的であること
3.購入しようとする物品の種類
私の実家の例では、あきらかに購入しようとする物品の種類を明確にしないで、両親は重たいものを
引きとてくれると思いこんで業者の訪問を許したのでした。
実は、この話には続きが、・・・・・。(続く)
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