サービスの品質って測れるの?(2)

2015.08.07

昨日の続きです。

昨日は、サービスの品質は、お客様の満足度で計測できると書きました。

実は、お客様の評価以外にサービス提供者の側から計測できる品質もあります。

 

たとえば、

・品質の維持のために作成した標準類(マニュアル、サービス水準など)が従業員に守られているか。

・サービス提供者が自ら定めたポリシー、思いなどが組織に浸透し機能しているか。

 

これらなどは、自らのセルフチェック、監査などにて客観的測定を行うことができます。

管理職の巡回や顧客を装った覆面調査員がサービス水準やチェック項目を調査するなど

顧客視点での第三者評価覆面調査員の活用など手法はいろいろあると思います。

良く大手のカフェチェーンなどで活用されているようです。

 

(参考)

2012年一般社団法人覆面調査士認定機構が認定する民間資格として

「覆面調査士」という認定資格が創設されています。 

 

昨日の続きになりますが、サービスの品質は、お客様満足度に加えて、

リピート率(再来率)などをサービス品質の指標として測定することもできると考えます。

皆さんもサービスの悪いと思ったお店には二度といきたくないでしょう。

 

 そこで昨日の問題です。

 お客様の満足度は、サービス全体の総合満足度を計測するだけでよいのでしょうか?

 

 お客様の満足の評価には、いくつかの仮説が成り立ちます。

<仮説>

1.サービスは複数のプロセス、要素で構成されており、顧客の感じる品質評価は、最低

  評価のプロセス、要素の評価に依存する(引っ張られる)

 

 たとえば、レストランにおいて、素晴らしい料理(見た目、味)、重厚感あふれるリッチ

 な室内装飾、素晴らしいソムリエ、シェフの素晴らしいおもてなし等があっても、最後のプロセス

 の会計において失礼なウエイターの態度があった場合、このレストランの総合品質評価 

 は、会計のプロセスのまずさに依存し、このレストランの品質評価全体が悪くなるとする考え方

 

2.顧客が事前に期待する(思い入れのある)サービスのプロセスや構成要素の評価に依存する

 たとえば、1のレストランの例では、ある顧客については、このレストランに期待する

 要素がソムリエの質だった場合、ソムリエの質が高ければ、最後の会計のプロセスのまずさは、

 この顧客のレストランに対する品質評価への影響は小さいとする考え方 

 

 どちらもあり得るのではないでしょうか?

 

お客様によってこだわりのある領域がある場合とか、ビジネスランチなのか恋人とディナーなのか

などの場面によるお客様の思いの違いなどで異なってきます。

 

私の結論は、実務上、サービス品質の計測を行いサービス品質の改善を行っていくには

総合満足度の計測だけでは足りず、サービスのプロセス毎、要素毎の満足度を計測し、総合満足度

との相関を見ることが理想と考えます。

また、さらには、顧客がサービスのどのプロセスや要素に期待していたかを聞くことが

できれば、品質改善マネジメントに大いに役立つと考えます。

 

<事例>

ディズニーリゾートの例になりますが、エントランスアンケート、帰宅後ネット回答アンケート、

直接キャストのヒヤリングなど多種様々な形の調査が日常行われています。

何がお目当てか? 各アトラクションをどの程度希望し、体験し、満足は?など

聴くべきことは、きちっと聴くアンケートを行っています。

 

お客様の負担にならず、かつ、必要な情報は得る、難しいですが

よりよいマネジメントのためには必要と思います。