ヒューマンエラーについて

2015.07.16

ヒューマンエラーの対策は人を対象にしちゃいけない!!

先日、某中華料理店でウェイトレスさんのオーダーミスにあってしまったお話をしました。ウェイトレスさんが私のオーダーを入れておらず、お料理が出てくるのが遅くなったというのが事象です。

この場合、オーダーしたPOTのハードウエア障害だったのかもしれませんが、一応、ウェイトレスさんが操作を誤ったと仮定して話をすすめます。

 

これは、人のミスによる事故、所謂、ヒューマンエラーといわれる事故です。

世の中、大小あわせると多くのヒューマンエラーが発生していますね。

 

こういった事故が発生した場合、その場でのリカバリーを行うことも重要ですが、同じ事故が再度、発生しないよう再発防止策の検討と実施がもっと重要です。

こういった事故が多発すると、当然、お客様のサービスに対する満足度が低下し、お客様が離れていくことにつながります。

 

では、仮想的に再発防止策を検討してみましょう。

 

<発生原因の追究>

対策をするためには、まず、その原因をつきとめなければなりません。

私が良く使用する手法は、「なぜなぜ分析」です。トヨタ自動車さんが良く使っている手法ですね。

事象がなぜ起こるのか、なぜ、なぜを繰り返していく手法です。

 

今回の事例を仮想分析してみます。ウェイトレスをAさんとします。

 

Aさんは、お客様の注文をPOTに入力し、確定ボタンを押さなかった。

              何故 ↓

Aさんは、当日、集中力を欠いていた。

              何故 ↓

Aさんは、ご主人の体調が悪く、看病疲れと心配から集中力を欠いていた。

              何故 ↓

Aさんのご主人は、他県で仕事をしていて、通勤に片道3時間もかかり、そのことが積り積もって健康を害してしまった。

 

<根本原因発見>

 Aさんのミスの根本原因は、ご主人の長時間の通勤時間である。

 

<再発防止策>

Aさんのご主人の今の仕事をやめてもらい、もっと近いところで働いてもらう! 

 

みなさん、この分析いかがですか? なぜ、なぜの筋道はあっていそうですね。

でも・・・・何かおかしいような・・・  (~_~;)

 

ここが、冒頭の

 

ヒューマンエラーの対策は人を対象にしちゃいけない!!

 なんです。

 

人は、神様ではありません、必ずミスをします。

ですから、ヒューマンエラーが起きた場合、「人は必ずミスする」ことを前提にした分析と対策にしなくてはいけません。

今回の仮想分析の対策では、BさんCさんには通用しません。人が変われば再発する可能性大です。ようするに再発防止策になっていないとうことですね。

 

ヒューマンエラーの分析と対策をする場合の注意は、人に固執しないで、「仕組み」、や「システム」、潜在的要因などに視点を広げて分析、対策しないと正しい再発防止策とはなりません。今回の仮想分析は、Aさん個人の事情に固執してしまった。

なぜの出発点が間違いだったのです。(Aさんに着目しすぎると、Aさんへの個人攻撃にもなりかねません。)

 

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