「おもてなし」について ~三献の茶のエピソード~

2015.07.15

私の事務所の行動指針の一つに以下の一文をいれています。

 

・おもてなしの心を忘れずに、臨機応変な対応を心掛ける

 

  「おもてなし」という言葉ですが、滝川クリステルさんがオリパラ東京大会誘致のプレゼンの中に「お も て な し」と手ぶりとともに入れたフレーズが有名になりましたね。

 私の事務所の行動指針に「おもてなしの心」を入れたのは、なにも流行の言葉だからという安易な気持ちからではありません。

お客様へのメッセージを込めたつもりです。

 

ところで、この「おもてなし」という言葉ですが、定義は?どんな意味?と聞かれると戸惑う方も多いのではないでしょうか。

 

私は、「おもてなし」について以下のように考えています。

この考えは、私の「おもい」にも繋がってきますので、簡単にご紹介したいと思います。

ちなみに、これは、私が参加している「サービスクオリティ研究会」で検討したものでもあります。

 

「おもてなし」はどんなもの?  

1.サービスを構成する重要な要素の一つ  

2.単に顧客の要望に忠実に従うサーバント型のサービスとは異なる

3.演出や趣向には、顧客の事前期待を超越するための創意工夫が求められる

4.現場におけるサービス提供者に一番必要なものは、状況の観察力、状況に応じた判断力、自分で考え迅速に行動する対応力

 

この「おもてなし」と同じような概念を「ホスピタリティ」と呼んでいる研究者や実務家もいます。

これ以上堅苦しいお話はいたしませんが、史実であるか不明との説もありますが、私の考える「おもてなし」を如実に現したエピソードが残されていますのでご紹介します。

 

16世紀のこと、「三献の茶」(サンコンノチャ)として有名な豊臣秀吉と石田三成の出会いのエピソードです。

 

<三献の茶のエピソード>

 

 長浜城主時代の秀吉が鷹狩の途中で領地の寺に立ち寄ると、茶を所望した汗だくの秀吉を見た寺小姓の三成が、まずは、大きな茶碗にぬるいお茶をたっぷり入れて持ってきた。

がぶがぶと飲み干した秀吉が2杯目を所望すると、三成は1杯目よりも少し熱いお茶を茶碗に半分だけ入れて差し出した。

秀吉が3杯目を求めると、今度は熱い通常のお茶を小さな茶碗に入れて持ってきた。

のどが渇いている秀吉に最初から熱いお茶を出すと一気に飲もうとして火傷するかもしれないので、三成はぬるいものから出したのだった。これを秀吉はいたく感心し、三成は召し抱えられることになる。 というエピソードです。

 

<まとめ>

①秀吉の所望に単純に従ったわけではない

②秀吉の状況を観察し、状況に応じた判断と対応をした

③自分で考え行動した

 

特にコンサルタントや士業、お医者さんのサービスも同じと思いますが、お客様の言ったことだけ行う「サーバント型」の

サービスではいけない、「おもてなしの心」でお客様の状況に応じたサービスを心掛けることが重要と思います。

このようなサービスを目指したいというメッセージを込めて

 

・おもてなしの心を忘れずに、臨機応変な対応を心掛ける

 

自分への自戒の意味を込めて行動指針にいれました。