著作権が制限される場合~その6

2017.01.27

 

著作権が制限される場合~その6

著作権が制限される場合の続きです。

 

その6:営利を目的としない上演等

 

(1)非営利・無料の上演等(著作権法第38条第1項)

 ・すでに公表された著作物は、営利を目的とせず、聴衆・観客から料金等を受けない場合、公に上演、演奏、上映、口述を

       することができます。

 ・学校の学芸会、文化祭などでの発表会、公民館での上映会などが当てはまります。

 ・出演者等に報酬が支払われないことが必要です。(交通費などの実費は、報酬になりません。)

 ・慣行がある場合は、出所の明示が必要です。(著作権法第48条)

 

(2)非営利・無料の放送番組の有線放送(著作権法第38条第2項)

 ・放送される著作物は、営利を目的とせず、聴衆・観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、または専ら放送対象地域

      で受信されることを目的として自動公衆送信(入力型の送信可能化を含む)を行うことができます。

 ・難視聴解消や共用アンテナからマンション内への配信など放送を受信して同時に有線放送する場合や放送対象地域を

       限定した入力による送信可能化(IPマルチキャスト技術による同時再放送)などが当てはまります。

 

(3)非営利・無料の放送番組等の伝達(著作権法第38条第3項)

 ・放送され又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される著作物を含む)は、営利を目的とせず、

       聴衆・観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達できます。

   ・公の伝達が通常の家庭用受信装置(テレビ・ラジオ等)を用いてされる場合は、営利を目的とし、料金を徴収しても自由と

       されています。

    喫茶店などの飲食店で家庭用受信装置(テレビ・ラジオ等)を用いて放送を流しているような場合が当てはまります。

 

(4)非営利・無料の場合の本などの貸与(著作権法第38条第4項)

  ・すでに公表された本や音楽CDなど映画著作物以外の著作物は、営利を目的とせず、被貸与者から料金を受けない場合

     には、その著作物の複製物を自由に貸与できます。

 

(5)非営利・無料の場合のビデオなどの貸与(著作権法第38条第5項)

 ・視聴覚資料の一般貸出を目的とする施設又は聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者(政令で定めるもの)は、すでに公

     表されている映画の著作物の複製物を貸与することができます。

 ・営利を目的とする施設ではないこと、貸与を受ける者から料金を受けないことが必要です。

 ・権利者に補償金を支払う必要があります。