著作権が制限される場合~その3

2017.01.24

著作権が制限される場合~その3

 

今回は、著作権が制限される場合の続きです。

 

その3:引用、転載関係

 

(1)引用(著作権法第32条第1項)

・すでに公表されている著作物は、引用することができます。

 この場合、引用は、公正な慣行に合致するもので、且つ、報道、批評、研究などの目的上正当な範囲内で行われることが

   必要です。

・引用部分を明確にすることや出所の明示が必要です。

 

(2)行政機関の広報資料等への転載(著作権法第32条第2項)

・国、地方公共団体の行政機関、独立行政法人が、一般に周知させることを目的として作成し、行政機関等の名義の下に

   公表する資料等の著作物は、説明の材料として新聞、雑誌などの刊行物に転載することができます。

・転載を禁止する旨の表示がないことや出所の明示が必要です。

 

(3)時事問題に関する論説の転載等(著作権法第39条)

・新聞又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上、社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く)

   は、他の新聞、雑誌等への転載や放送、有線放送等をすることができます。

・転載、放送、有線放送を禁止する旨の表示がないことや出所の明示は必要です。

 

(4)政治上の演説等の利用(著作権法第40条第1項)

・公開して行われた政治上の演説、陳述や裁判手続きにおける公開の陳述は、同一の著作者のもののみ編集して利用する場合

   を除いて利用することができます。

・出所の明示が必要です。