2016.12.27
実演家の権利~その1
今回は、著作隣接権のうち、実演家の権利についてご紹介します。
著作権における「実演」と「実演家」の定義は、第2条第1項に規定されています。
(実演)
・著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗読し、又はその他の方法により演ずること
(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
(実演家)
・俳優、舞踏家、演奏家、歌手その他実演を行う者
<実演家の権利>
・実演家の権利にも実演家の人格的利益を保護する実演家人格権と財産的利益を保護する財産権があります。
(1)実演家人格権
①氏名表示権(著作権法第90条の2)
・自分の実演に際し、氏名、芸名を実演家として表示するかしないかを決定できる権利です。
・ただし、実演の利用の目的及び態様に照らして、「実演家の利益を害するおそれがないとき」又「公正な慣行に反しないと
き」は、実演家名を省略することができます。例えば、ドラマに出演したエキストラ全員の氏名の表示などが省略されるなど
は、これにあたります。
②同一性保持権(著作権法第90条の3)
・実演家の名誉、声望を害するような、実演の変更、切除をされない権利です。
・ただし、実演の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められる場合や公正な慣行に反しない
と認められる場合は除かれます。
例えば、ある映画を放送する場合に、放送時間に適合するように再編集するようなことが、これにあたります。
次回は、実演家の財産権についてご紹介します。
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