国際結婚の手続き(15)

2016.09.21

外国人配偶者と年金

 

国際結婚をした外国人配偶者は、日本の年金加入はどうなるのでしょうか?

今回は、このテーマをご紹介します。

 

結論から申しますと、日本の年金制度には、国籍は関係ありません。

日本国内に住んでいる外国人も年金についての権利・義務が発生することになります。

 

<国民年金>

・国民年金は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての方は、国籍に係わらず加入しなければなりません。

・日本人と同じく25年以上の受給資格期間を満たすと老齢基礎年金が支給されます。

 

<厚生年金>

・厚生年金については、厚生年金に加入している会社に就職すると、一定の要件を満たせばこれも国籍にかかわらず加入義務が

 発生します。

・また、外国人配偶者が、専業主婦で働いていないような場合、日本人配偶者が会社で厚生年金に加入している場合は、外国人

 配偶者は、「3号被保険者」に該当し、年金を支払う必要はありません。日本人と同じく、将来3号被保険者として年金を受

   け取れます。

 

<将来日本を離れる予定の外国人は損をする?>

・今、日本に住んでいるが、いずれ帰国する予定の外国人の方にとっては25年間の加入期間を満たすのは難しく、加入した期間

 とその期間に支払った保険料はどうなるのでしょう?

 

①任意脱退

 

・国民年金においては、日本に来た時の年齢が高く、60歳までに25年の受給資格期間を満たせないことが確実な場合(滞納で満 

 たせない場合を除く)は、年金制度からの脱退が認められています(任意脱退)。

・しかし、厚生年金は将来もらえる可能性の有無にかかわらず、強制加入することが原則です。

 

②掛け捨て防止のための「脱退一時金制度」

 

・国は、掛け捨て防止のために「脱退一時金制度」という一時金の給付制度を設けています。国民年金や厚生年金の加入期間が

  6カ月以上あり、老齢年金や障害年金を受け取ることなく帰国した外国人が対象です。 この脱退一時金を受け取った場合、その

  該当する期間は年金の加入期間でなかったことになります。また、日本と社会保障協定を締結している場合、脱退一時金を受

  けるとこの期間部分は通算できなくなります。

 

③社会保障協定

・日本と「社会保障協定」 を結んでいる国については、日本で納めた保険料は母国の年金に反映されることになりますので、

 払い損(掛け捨て)にはなりません。また母国と日本の2つの国の保険料を支払う「二重負担」がなくなります。

 

 

 

(参考)

各国との社会保障協定発効状況(2016年10月現在)

社会保障協定の発効状況は以下のとおりです。日本は19ヶ国と協定を署名済で、うち16ヶ国分は発効しています。「保険料の二重負担防止」「年金加入期間の通算」は、日本とこれらの国の間のみで有効です。 (注)イギリス、韓国及びイタリアについては、「保険料の二重負担防止」のみです。

協定が発効済の国

ドイツ イギリス 韓国 アメリカ ベルギー フランス カナダ オーストラリア オランダ チェコ スペイン アイルランド ブラジル スイス ハンガリー インド

署名済未発効の国

イタリア ルクセンブルク フィリピン

 

 

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