イノベーションについて

2015.08.04

イノベーションというと多くの方は、主に「技術革新」の事を思いうかべるのではないでしょうか。 

しかし、イノベーション(革新)は、技術革新だけではないのです。

 

本日(8月4日)の日経新聞に次の二つの記事が出ていました。

 

1.ドイツのダイムラー社

人の移動手段を手掛ける「総合モビリティー企業」への脱皮を目指している。

世界人口増加、渋滞、環境問題が深刻になる中、自動車メーカーとして

カーシェアリングなどのサービス事業への脱皮目指す。

 

2.日本の駅中サービス

首都圏の駅構内で提供するサービスが多彩に!

東京メトロは、英会話教室開催

京急では、住宅相談窓口

 

といった、今までにないサービスを提供する記事が出ていました。

これらは、特に新規技術が開発されているわけではありませんが

従来事業やサービスに比べると革新的なアイデアを実行しています。

 

そうです!

私達が仕事をしていく上でのあらゆる領域でイノベーションを

起こすことは可能なのです。

 

ここでちょっと → 何故イノベーションが必要か

 

それは、お客様の支持され続けるサービス品質を維持して行く為ですね。

普段からの継続的な改善も重要ですが、それだけでは、時間の経過と共に

市場や環境の激変なども起こりえますし、まんねりによりお客様の感じる価値も

減少し、いつかはお客様が離れていく原因になるのです。

サービスの生産性を向上し、新たな顧客価値を生み出すためには、イノベーション的

な改革や創造を行う努力も必要となるのです。

 

イノベーションはどんな領域で?

概ね以下のような領域でイノベーションは可能です。

<イノベーション領域>

 ①生産性改革のためのプロセスイノベーション

 ②顧客価値創造のためのバリューイノベーション

 ③新しいサービス創造のための企画・設計・開発イノベーション

 ④新しいインフラ創造や既存インフラ改革のためのインフライノベーション

 ⑤技術・ノウハウ創造のための知財イノベーション

 ⑥人材創造のためのパーソナルイノベーション

 ⑦マネジメント改革のためのリーダーシップイノベーション 

 

まだまだ、あるかもしれません。

 

もう一つ大事な事

 

継続的改善やイノベーションの結果が関係した人だけが暗黙のうちに

知識として持っている、即ち「暗黙知」のままでもいけません。

組織の中の誰かが持っている「暗黙知」は、きちっとみんなに見えるようにして、

それを新たな標準として「形式知」として残していかなければ組織の力とはなりません。

特に上記①⑤⑥は、典型といえるでしょう。

 

ここで、おもしろい事例を紹介

 

<タクシー会社のハロー東京の事例>

 

GPSを活用して優良乗務員の行動分析を行い、曜日・時間・天候に応じ、

どのように走行すればお客に見つけてもらえるか、長距離のお客に乗車して

もらえるかの走行パターンを作成し、従業員研修等で徹底させた。

(サービス産業生産性協議会 サービスプロセス改善事例、ハイサービス日本300選より)

 

この事例は、ベストプラクティス社員のノウハウ、暗黙知を形式知化し、標準化するという

標準化を目指したものですが、人の動きを変えるイノベーション

(上記①、⑤、⑥の領域のイノベーション)と言えるでしょう。

 

この事例のように、新たな顧客価値実現や更なるサービス生産性の向上を実現するためには、

普段からの改善努力や標準化努力とともに、イノベーションを起こすための努力と創造を促す

マネジメントが求められるのです。