仕組みより「心」「おもい」が大事

2015.08.05

今年5月に改正会社法が施行されました。

内容は、社外取締役が経営を監査する新制度です。

主なポイントは以下の3つです。

 

1.社外取締役を選任しない理由の説明義務

2.「監査等委員会設置会社」制度の新設

  3人以上の取締役で監査等委員会をつくり、取締役の職務執行などをチェックする

  仕組みで、委員の過半数は社外取締役にする必要あり。

3.多重代表訴訟制度の新設

  親会社株主による子会社役員の責任追及が可能に

 

要するに企業統治(コーポレートガバナンス)の強化です。

 

かつて米国で起きたエンロン破綻事件では、同社の会計監査人であったアーサー・アンダーセン

も解散に追い込まれ、米国では企業統治の新法SOX法が制定されたのは記憶に新しいところです。

 

このような流れのさなか、最近、某大手電機メーカーの粉飾決算が話題になっています。

この企業は、2003年に委員会設置会社に移行し、企業統治の仕組を

いち早く取り入れ、国内では企業統治最先端の企業でした。

 

それなのになぜ?

 

話は、変わりますが、今日の日経に、トヨタ自動車さんが4~6月期の業績で

純利益が四半期ベースの過去最高益更新したという記事がでていました。

とにかくすごい会社ですね。

実は、6~7年前に、九州トヨタさんの工場ラインを見学する機会がありました。

目的は、所謂、トヨタ生産方式(カンバン方式は有名ですね)などトヨタさんの強さをを学ぶためです。

この見学の案内をして下さった課長さんが仰っていました。

 

「トヨタ生産方式は、仕組みを表面だけ

まねても全く効果はありませんよ。トヨタの心を見ていってください。」

 

まさに、至言!

大事なのは、仕組み、制度を作ることではなく、

仕組み、制度を運用する人の「心」、「おもい」なのだと思います。