2016.12.20
著作者の権利:著作権(財産権)~その2
前回に続き、著作者の権利のうち、著作者権(財産権)の中身についてご紹介します。
<著作権(財産権)の中身>
⑥口述権
・言語の著作物を朗読などの方法により口頭で公衆に伝達することができる権利です。(著
作権法第24条)
⑦展示権
・美術の著作物の原作品と未発効の写真の原作品を対象とし、これらを公に展示することができる権利です。(著作権法第25条)
⑧譲渡権
・著作物の原作品や複製物を譲渡により提供できる権利です。(著作権法第26条の2)
譲渡権は、いったん適法に譲渡された場合は、消えてしまいます。(著作権法第26条の2第2項第1号)
即ち、お店で売られている音楽CDなどは、譲渡権が消えているので転売などが可能です。
⑨貸与権
・著作物をその複製物の貸与により公衆に提供できる権利です。(著作権法第26条の3)
⑩頒布権
・映画の著作物の複製を頒布することができる権利です。(著作権法第26条第1項)
即ち、映画用フィルムの配給権を意味します。
頒布とは、公衆向けに「譲渡」したり「貸与」したりすることです。
譲渡権と異なり、劇場用映画の著作物の場合、適法に譲渡された後の再譲渡にも権利が及ぶことになりますが、公衆に提示す
ることを目的としない市販のDVDなどは、いったん適法に譲渡された後には、頒布権は消滅するというのが判例です。
(平成14年4月25日最高裁判決)
次回は、二次的著作物の権利についてご紹介します。
<前へ | News&Topics一覧へもどる | 次へ>