2015.09.09
今回は、認定NPO法人制度について簡単にご紹介します。
<認定NPO法人とは>
通常のNPO法人が認定NPO法人として認められると、その法人への寄附について、
一定の税制優遇措置を受けられるため寄付を集めやすくなります。
この制度は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために
税制上の優遇措置 として設けられたものです。
以前は国税庁長官が認定を行う制度でしたが、法改正により平成24年4月1日から所
轄庁(都道府県知事等)が認定を行う新たな認定制度として創設されました。
また同時に、スタートアップ支援のため、設立後5年以内のNPO法人を対象とする、
仮認定NPO法人制度 も導入されました。
<認定NPO法人のメリット>
1.認定NPO法人への寄附者に対する税制上のメリット
①個人が寄附した場合
所得控除や住民税の計算において寄付金税額控除が適用されるなど優遇処置が適用されます。
②法人が寄附した場合
一般寄附金の損金算入限度額とは別に、特定公益増進法人に対する寄附金の額と合わせて、
特別損金算入限度額内で損金算入が認められます。
③相続人等が相続財産を寄附した場合
相続又は遺贈により財産を取得した人が、認定NPO法人(仮認定NPO法人は適用されません)に
その取得した財産を寄附した場合には、その寄附した財産の価格は相続税の課税対象から除かれます。
ただし、その寄附を受けた認定NPO法人が、寄附のあった日から2年を経過した日までに認定NPO法人に
該当しないこととなった場合又はその寄附により取得した財産を同日においてなお特定非営利活動に係る
事業の用に供していない場合には、適用されません。
2.認定NPO法人の「みなし寄附金制度」
認定NPO法人自身が、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で特定非営利
活動に係る事業に該当するもののために支出した金額はその収益事業に係る寄附金の額とみなされます(みなし寄附金)。
このみなし寄附金の損金算入限度額は、認定NPO法人であれば、所得金額の50%又は200万円のいずれか多い額までの範囲となります(国税庁認定を受けた旧認定法人は所得金額の20%までとなります)。
なお、このみなし寄附金制度は、仮認定NPO法人には適用されません。
<認定NPO法人認定の基準>
認定NPO法人等になるための一定の要件とは、次の基準のことです。
①パブリック・サポート・テスト(PST) に適合すること(仮認定は除きます。)
②事業活動において、共益的な活動の占める割合が、50%未満であること
③運営組織及び経理が適切であること
④事業活動の内容が適切であること
⑤情報公開を適切に行っていること
⑥事業報告書等を所轄庁に提出していること
⑦法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
⑧設立の日から1年を超える期間が経過していること
上記の基準を満たしていても、暴力団、又は、暴力団若しくは暴力団の構成員等の統制下
にある法人など、欠格事由 に該当するNPO法人は認定・仮認定を受けることができません。
*パブリック・サポート・テスト(PST)とは
広く市民からの支援を受けているかどうかを判断するための基準であり、認定基準のポイントとなるものです。
PSTの判定に当たっては、「相対値基準」、「絶対値基準」、「条例個別指定」のうち、いずれかの基準を選択できます。
なお、設立初期のNPO法人には財政基盤が弱い法人が多いことから、スタートアップ支援として、仮認定NPO法人制度
ではPSTに関する基準が免除されます。
<認定・仮認定の有効期間>
認定の有効期間は、所轄庁による認定の日から起算して5年、仮認定は3年となります。
また、認定の有効期間の更新を受けようとする認定NPO法人は、有効期間の満了の日の6ヶ月前から
3ヶ月前までの間に更新の申請をし、 有効期間の更新を受けることとなります。
(仮認定には有効期間の更新はありません。)
認定の有効期間の更新がされた場合の認定の有効期間は、従前の認定の有効期間の満了の日の翌日
から起算して5年となります。
<仮認定NPO法人制度とは>
設立後5年以内のNPO法人のうち、運営組織及び事業活動が適正であって特定非営利活動の健全な発展の
基盤を有し公益の増進に資すると見込まれるものにつき、要件からパブリック・サポート・テスト(PST) を免除し
一定の基準に適合した場合は、税制上の優遇措置 が認められる「仮認定」を1回に限り受けることができます。
(なお、平成27年3月31日までは、設立後5年を超えたNPO法人も申請することができます。)
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