2015.08.14
最近のこのコーナーでは、消費者を守る法律についてご紹介しています。
その中でクーリング・オフという言葉が出て来ました。
今日は、クーリング・オフとはどんなことなのでしょうか、簡単にご紹介します。
直訳すると「頭を冷やす」という意味ですね。
冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することが
できる特別な制度のことをいいます。
契約したけれど数日たって考えてみたらやめておけば良かったと後悔することはあると思います。
<クーリング・オフはどんな契約でもできるの?>
どんな契約もクーリング・オフができるかというと、そうではありません。
たとえば、何か買い物をする場合、お店に行って買い物をする場合などのように自分が買いたい
ものを自分の意志で買い物に行くという場合だけではありません。
家に業者が訪ねてきて勧誘される、電話がかかってきて勧誘される、道を歩いていて呼び
止められ勧誘されるなど、不意打ち性が高かったり、場合によっては、威圧的な勧誘だったり
する場合もあります。
こういった不意打ち的な勧誘や威圧的な勧誘で冷静に判断できないまま契約をしてしまいがちな販売方法
に対して、クーリング・オフ制度が設けられています。
クーリング・オフのできる取引は、さまざまな法律で決められていますが、代表的な法律は、特定商取引法です。
<特定商取引法>
特定商取引法は、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、
訪問購入の場合、消費者がつい契約をしてしまったとしても、一定の期間内であれば書面によって申込みの
撤回や契約の解除を消費者側から行うことができます。
契約をなかったことにできる大変強い規定です。
また、業者側は、クーリング・オフを妨げるためにうそをつく、威圧して困惑させるなどの行為も禁じられています。
ただ、不意打ち性が低いと思われる通信販売、店舗販売での契約については、クーリング・オフ制度はありません。
なお、家庭への訪問販売だけでなく、「路上などで声をかけて営業所などへ連れていき契約を勧めるキャッチセールス」
と「電話等で販売目的を告げずに営業所や喫茶店などへ呼び出して契約を勧めるアポイントメントセールス」も法律的
には「訪問販売」に区分されます。
<どうやってやるの?>
クーリング・オフは、口頭での申し入れはやめましょう。
きちっと書面にしないと業者との間で「言った、言わない」の水かけ論になる可能性があります。
証拠が残る内容証明郵便を使うのが確実です。
クーリング・オフの効果は、書面を発送したときに発生します。
クーリング・オフが可能な最終日に書面を発送すれば到着がクーリング・オフ期間を過ぎた後でも効果が
発生します。そのためにも確実に送ったことがわかる内容証明郵便の配達証明付にしておけば良いでしょう。
<クーリング・オフはいつまでもできるの?>
クーリング・オフは、契約してからいつまでもできるわけではありません。クーリング・オフ期間(クーリング・オフが
できる期間)が、法律で定められています。主なものは、以下の通りです。
- 訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む):8日間
- 電話勧誘販売:8日間
- 特定継続的役務提供(エステ、語学教室、学習塾、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービス):8日間
- 連鎖販売取引(マルチ商法):20日間
- 業務提供誘引販売取引(内職商法、モニター商法等):20日間
- 訪問購入(業者が消費者の自宅等を訪ねて、商品の買い取りを行うもの):8日間
- ※法施行日(2013年2月21日)以降の契約が対象となります。
<困ったら消費者センターに相談!>
訪問販売等で困ったことがあったら、一人で悩まずにお住まいの自治体の消費生活センター等に
相談することをお勧めします。
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html
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