2016.08.25
採用した外国人が不法就労者だった場合どうすればよいのでしょうか?
雇用主は、外国人を採用する際、充分な確認を行っていることと思います。
今回は、法律や制度が良くわからないまま外国人を雇用してしまった場合の対処についてご紹介します。
不法就労の場合、外国人本人だけでなく雇用主も罰せられることがありますので注意してください。
(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
1.在留カードを確認
まずは、外国人が不法就労の疑いがないか確認してください。
①在留カードを所持していない、または偽変造のカードを所持している場合
この場合は、密入国などそもそも日本に滞在が許可されていない外国人、
短期滞在(観光目的)などで就労してはいけない外国人の可能性があります。
<偽変造のカードを見分けるには>
→法務省入国管理局ホームページ内「『在留カード』及び『特別永住者証明書』の見方」をご参照ください。
②在留期限が切れている場合
在留カードの表面真ん中よりやや下に記載されている在留期限が過ぎている場合も
いわゆるオーバーステイといって日本に在留していてはいけない状態ですので、もちろん就労はできません。
③働くことができない資格の場合
「留学」、「家族滞在」などの資格は、原則、就労不可の資格です。
在留カードの表面真ん中くらいに就労制限の有無という欄に、「就労不可」と
記載されていれば就労はできません。
ただし、在留カードの裏面を確認し、裏面一番下の資格外活動許可蘭に
「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていればアルバイトは可能です。
④就労を認められた範囲を超えた仕事に従事している場合
「経営・管理」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」などのいわゆる就労系の在留資格は、決められた範囲内で
就労が可能です。
この決められた範囲を超えた仕事に従事した場合は、不法就労となります。
たとえば、「技能」でコックの在留資格の人が、もっぱらウエイターの業務しかしていないなどはこれにあたります。
以上、①~④に該当した場合は、不法就労となります。
2.確認の結果、不法就労であった場合の対応
<1.①、②の場合>
日本への在留自体ができない状態です。
このような状態であることがわかった場合は、その外国人を最寄りの入国管理局に出向くようにアドバイスをしてください。
外国人自ら出頭した場合は、出国命令制度に基づき帰国することになります。
出国命令で帰国した場合は、1年間日本への再入国はできません。
自ら出頭しない場合は、退去強制の事由にあたり、身柄が収容され国外に退去させられます。
この場合原則5年間日本への再入国ができなくなってしまいます。
<1.③の場合>
資格外活動許可が得られていないと、アルバイトはできませんので雇用はできません。
資格外活動許可を受けるようアドバイスしてください。
<1.④の場合>
適法な在留資格がない場合は、仕事をさせてはいけません。
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