独立・開業を考える(風俗営業その3)

2015.10.05

独立・開業を考える(風俗営業その3)

 

バー、クラブ、キャバクラなどの風俗営業を開業するには許可が必要とご紹介しました。

また、許可を得るためにクリアしなければならない基準があることもご紹介しました。

大きく分けると、以下の3つの基準があります。

 

①人的欠格事由(法第4条第1項第1号から第9号)

②営業所の構造及び設備の技術上の基準(法第4条第2項第1号)

③営業所の場所的基準(法第4条第2項第2号)

 

今回は、許可を得るために必要な基準の2番目「営業所の構造及び設備の技術上の基準」

について簡単にご紹介いたします。

 

この基準については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」第4条第2項第1号で

規定されています。以下、条文を引用します。

 

(法第4条第2項第1号)

2 公安委員会は、前条第一項の許可の申請に係る営業所につき次の各号のいずれかに該当する

事由があるときは、許可をしてはならない。

 

一  営業所の構造又は設備(第四項に規定する遊技機を除く。

      第九条、第十条の二第二項第三号、第十二条及び第三十九条第二項第七号において同じ。)

       が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき。

 

この条文で、「風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める」と書いてあります。

この国家公安委員会規則というのが「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」

という規則でこの規則第8条に、風俗営業の種別の区分に応じて、構造及び設備の技術上の基準が規定

されています。以下に各営業の種別ごとの基準をご紹介します。

 

(キャバレー等/ダンス飲食店)法第二条第一項第一号又は第三号に掲げる営業

一 客室の床面積は、一室の床面積を六十六平方メートル以上とし、ダンスをさせるための客室の部分の

      床面積をおおむねその五分の一以上とすること。

二 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。

三 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

四 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

五 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

六 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が五ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

七 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

      ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

 

(社交飲食店/料理店)法第二条第一項第二号に掲げる営業

一 客室の床面積は、和風の客室に係るものにあつては一室の床面積を九・五平方メートル以上とし、その他のものに

      あつては一室の床面積を十六・五平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、

      この限りでない。

二 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。

三 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

四 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

五 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

六 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が五ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

七 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

      ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

八 ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。

 

(低照度飲食店)法第二条第一項第五号に掲げる営業

一 客室の床面積は、一室の床面積を五平方メートル以上とすること。

二 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。

三 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

四 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

五 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

六 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が五ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

七 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

     ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

八 ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。

 

(区画飲食店)法第二条第一項第六号に掲げる営業

一 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであること。

二 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

三 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

四 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

五 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

      ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

六 ダンスの用に供するための構造又は設備を有しないこと。

七 令第三条第三項第一号ハに掲げる設備を設けないこと。

 

(マージャン店/パチンコ店/その他遊技場)法第二条第一項第七号に掲げる営業

一 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

二 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

三 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

四 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

五 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

     ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

六 ぱちんこ屋及び令第七条に規定する営業にあつては、当該営業の用に供する遊技機以外の遊技設備を設けないこと。

七 ぱちんこ屋及び令第十一条に規定する営業にあつては、営業所内の客の見やすい場所に賞品を提供する設備を設けること。

 

(ゲームセンター等)法第二条第一項第八号に掲げる営業

一 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。

二 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。

三 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。

四 第二十九条に定めるところにより計つた営業所内の照度が十ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は

      設備を有すること。

五 第三十一条に定めるところにより計つた騒音又は振動の数値が法第十五条の規定に基づく条例で定める数値に満たない

     ように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

六 遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置

      を有する遊技設備を設けないこと。

 

*(ダンスホール等)第二条第一項第四号に掲げる営業は、2015年6月24日付の法改正で削除されたことに伴い規則からも削除 

    されました。